私は小ぎれいな格好をして、会計士講座の授業料を握りしめて渋谷の予備校へと向かっていた。ちなみに私は電車、特に混んでいる電車に乗るのが苦手だ。高校を辞めた理由の一つに満員電車での通学があげられる。リスペクトできない先生の授業を受け続けることも苦手だ。予備校の先生は大丈夫だろうか、そんな心配をしながら歩いていると予備校にたどり着いた。
すぐに受付に行き、申し込みを進めた。今回は格好も綺麗だし、簿記一級に合格しているのでスムーズに手続きは終わるはずだった。
受付「では、教材をお渡ししますね。袋は必要ですか?」
私「袋?リュックがあるので大丈夫です。」
こんなやり取りをした後、受付の女性は次々と教材を持ってきた。そう、次々とだ。
まず、簿記関連の教材。これは全部で14冊程あった。次に分厚い理論のテキスト類、そして管理会計関連のテキストとそれはもう大量で並べたら1メートルは超える分量だ。
しかもこれでもまだ5科目分。会計士2次試験(論文式試験)は全7科目だ。
私は半笑いで「袋をください」と呟いていた。
⇒会計士の教材の量はハンパじゃない
袋を両手に持った私の姿は爆買い中国人のようだった。どう帰ろうか悩んでいた時、受付の女性はこう言った。
受付「ロッカーをご契約されますか?」
そう、予備校には月額でロッカーを借りることができ、要は置き勉ができるのだ。なんていい商売なんだと思いながら私はロッカーを契約した、せざるを得なかった。
⇒意外とロッカー代はバカにならない
無事に手続きを終えて、ロッカーに教材を詰めた私はこの日は授業がなかったため帰ることにした。それにしても教材の量が尋常じゃなく、自分は本当に会計士に受かるのだろうかと不安になった。ただ、受かる人間がいる以上その人らと同じように努力すれば自分も合格するのだと言い聞かせてその日は眠りについた。翌日の授業から地獄が始まるとも知らずに。
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