俺はバイト先に事情を話して1ヶ月程の休みをもらった。みんな快く送り出してくれた。
彼女は姫路に住んでいたため、岡山なら遊びに行くよ!とこちらも快く送り出してくれた。
俺はウキウキしながら教習所の近くの駅の津山駅に向かった。ここから教習所までの送迎バスが出ているのだ。
教習所に到着すると、施設の案内をしてくれた。まずはメインエントランスからだ。
??「バーンババ!バーンババ!」
俺「!?」
メインエントランスに入るなり、暴走族的なバイクの音が鳴り響いていた。そう、教習生が暴走族の動画を爆音で見ていたのだ。
俺「これも勉強なのか?」そう思いながら室内を見渡すとある事に気がついた。
そう、ヤンキーしかいないのだ。教習生のほぼ全てがヤンキーで構成されていた。それだけではない。
案内人「勉強する時や、歓談はこちらでどうぞ」等と案内された机と椅子を見て愕然とした。
机はかろうじて平らに削られた岩、椅子はもはや山から拾ってきたとしか思えない岩そのものだった。
そう、俺の目の前には岩に腰掛けて暴走族になるための勉強?をしている沢山のヤンキーが映っていた。
断っておくが、俺はバイクの楽しみ方は人それぞれだと思っている。バイクは旧車も含め大好きだし、上手い人のバイクのコールは凄いと思う。ただ、東京の昔行ってた教習所と違い過ぎて驚いたのだ。
⇒岡山県、ヤンキー多すぎ!?
俺は施設のクオリティやヤンキーの数に圧倒されながらも、一通りの手続きを済ませ合宿先の宿に向かった。
しかし、椅子すら山から取ってきた岩で済ませる教習所である、合宿部屋も一筋縄では無かった。
その部屋はがらんとしていた。病院にあるようなベッドがポツンと置いてあった。そして部屋には窓がない。
既視感があった。ドラマやマンガで見たことがある、そう思った。賢明な読者諸君ならタイトルからもう察しているであろう。
これ刑務所じゃん!
えっ、なにこの刑務所みたいな所に1ヶ月いなきゃいけないの!?窓無いって独房だよ!?刑務所の中でもランク高めだよ!?
などと、あしたのジョーで見た知識を総動員して俺は喚き散らした。
喚いていても仕方はない。来てしまったのだ。そう、賽は投げられた。
⇒合宿免許は値段だけで選ばないように…
その後風呂に入ろうとしたが、個室のシャワー室しかなく(しかも3個中1個壊れてて使えない)、シャンプー等もない事に絶望しながらこの日を終えた。
当然のように翌日も絶望が待っている事を、この時は少しだけ予期していた。
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