入念な準備と幸運によって私は監査法人に就職することができた。後は勉強しながら試験を目指すだけ、そう思っていた。
しかし、監査法人には繁忙期というとてもストレスフルな期間が存在したのだ!
監査とは会社の売上や利益などの数字が合ってるよ!と証明する作業なのだが、大体の会社は3月決算である。会計士がメインで入るのはその後の4月~5月。この期間がめちゃくちゃ忙しいのだ。人によっては月に100時間以上残業する人もいる。もっと残業している会社や人はいるだろうが、会計士受験生として残業は死活問題である。平日でも3時間程度は勉強する必要があるからだ。
残業は疲れるうえに、時間を圧迫する。私は仕事の速度を上げて対策することにした。
⇒働きながら勉強するには、工夫が必要
結論から言えば、対策をしたおかげで私の仕事の速度はとても早く、殆ど残業せずに普段の業務をこなすことができた。繁忙期に関しても1月に30時間程度の残業に抑えることができた。
監査法人ではPCを使って仕事をする。要はパソコンを早く使えればいいのだ。具体的には、カーソルの速度を一番速くしたり、良く打つ文字は辞書登録をした。
例えば、1日でカーソルを動かしている時間が1時間あったとしよう。これをカーソルの速度を速くすることで40分に短縮できる。そうすれば、他の人より20分のアドバンテージが得られる。
このような考え方のもと、様々な時短テクニックを身に着けていった。
⇒PCはテクニック次第で仕事が早くなる
入所当初は、エクセルとワードの違いや存在すらわかっていなかった私だったが、ゼロから気持ちを新たにスタートしたおかげで効率的に使い方を覚えていくことができた。2月に入所し、4月半ばからの繁忙期に入る前には同期と比べても仕事は早くこなせるようになっていた。
そして、繁忙期に入ればほぼ仕事と勉強のみになってしまう。そう考えた私は、当時付き合っていた彼女との時間を確保するため、同棲を始めることにした。
しかし、価値観に沿ってしたこの判断が、最悪の結果を招くことをこの時はまだ知らなかった。
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